「五郎丸ポーズ」の大ブームに戸惑った2015年 心がラクになったキッカケは「イチローさんのルーティン」 (3ページ目)
【『ONE TEAM』が社会的なブーム】
五郎丸は、続けて語る。
「多くの方から『サイン書いて!』とか『一緒に写真を撮って!』と頼まれるのが、最初は本当に苦手でした。ですが、その発想の転換ができてからは、『自分が対応することによって、ラグビーファンが増えていくかもしれない』と思えるようになりました。
また、当初は『自分がラグビー界全体の顔になってしまった』という思いがあったので、下手にサインや写真を断ってしまうと、『ラグビー界全体のイメージが悪くなる』と責任を背負い込んでいました。でも、その発想の転換を境に対応できない時は、『ごめんなさい。ちょっと勘弁してください』と断る選択ができるようになり、精神的にすごくラクになりました」
五郎丸がイチローをヒントに発想を転換し、積極的にラグビーのPRを進めるようになったことは、その後の普及・育成に少なからず影響したことだろう。ワールドカップ翌年の2016年からオーストラリア(スーパーラグビー)、フランス(TOP14)と海外でのラグビー生活が続いたものの、五郎丸は間断なく日本のラグビー人気の向上に貢献し続けた。
「自分が(ラグビーの魅力を)発言することによって世間にラグビーの要素が少しずつ広がっていき、2019年に日本で初開催されたラグビーワールドカップでは『ONE TEAM』が社会的なブームになりました。
日本代表も4年かけてすばらしい結果(初の決勝トーナメント進出)を残してくれましたし、外国出身選手も含めていろいろな人たちにフォーカスが当たるようになったので、微力ながらラグビー界の力になれたのかなと感じました」
日本代表のルーキーイヤーに当たる19歳当時、五郎丸は「代表になかなかコミットできなかった」という。だが、経験と年輪を重ねたことで自らがラグビーのアイコンになることを受け入れ、現役生活を継続しつつメディア出演などを通じて競技の本質を地道に浸透させていった。
「ONE TEAM」は2019年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。4年前の幻の大賞「五郎丸ポーズ」とは完全に対極にある、ラグビーの本質をひと言で示した真の流行語と言えよう。
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