東大ラグビーはどこまで変わったのか 対抗戦を経て京大戦で問われる「レッグドライブの真価 (2ページ目)
【対抗戦終盤に見えた確かな前進】
10月以降の東大は一橋大、学習院大をイメージどおりのラグビーで撃破し、上位3校との対戦を迎えた。成蹊大には大敗したものの、明学大、武蔵大には東大なりに食い下がった。その点はヘッドコーチの高橋一聡も評価する。
「フィジカルは中垣さんに入ってもらって、2月から基礎的なところをずっとやってきた成果が確実に出ています。『現場』を疎かにしないことで、ブレイクダウンで勝負できるようになってきた。ただ、ファーストフェーズで前へ行けても、セカンドフェーズでミスが出るんです。ここにきてようやくミスが減ってきているので、今度は精度を上げるところへ入っていけます。
技術については、新しいことをやっています。たとえばパスをもらってドーンと当たる、パスをもらってボールをちょっと移動させてからドーンと当たる、パスをもらってちょっと動いてから反対に戻してドーンと当たる。この当たり方は、技術とタイミングによって数を増やせるんです。3つ動かせたらAグループです。今、ふたつまでなら、あやふやながらも成功率が上がっている。この精度を上げることで、最後の戦いに向かっていこうと思っています」
【対抗戦の先にある最後の大一番】
最後の戦い──対抗戦を終えてもなお残された戦いというのは、京大との定期戦である。昨年は京都の宇治グラウンドで行なわれ、東大が12−76で大敗を喫した。
100年を超える歴史を持つ東大と京大の定期戦は、スイカジャージを身に纏う"タックルの東大"と獅子を胸に描いた濃紺ジャージの"展開の京大"がぶつかって、過去、幾多の名勝負を繰り広げてきた。それが今年は"レッグドライブの東大"として雪辱を期すことになる。一聡は今シーズン最後の戦いを前に、こう話した。
2 / 3

