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ラグビー日本代表、ふたりの外国籍選手がオーストラリア相手に互角の勝負「これが日本への恩返しの方法」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【リーチに次ぐキャップ数】

 ジョーンズHCはメンバー全員の奮闘を称えた。ただそのなかでも、先発したふたりの外国籍選手を特筆しておきたい。

 まずひとりはLOワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)。37歳のリーチ マイケルに替わり、今夏に行なわれたパシフィック・ネーションズカップからキャプテンを務めているニュージーランド出身の23歳だ。

※ポジションの略称=HO(フッカー)、PR(プロップ)、LO(ロック)、FL(フランカー)、No.8(ナンバーエイト)、SH(スクラムハーフ)、SO(スタンドオフ)、CTB(センター)、WTB(ウイング)、FB(フルバック)

 23歳4カ月でのキャプテン就任は戦後最年少。ディアンズは父の仕事で14歳の時に来日し、千葉・流通経済大柏高校を卒業後、大学に進学せずに東芝ブレイブルーパスに入団した。

 入団当初から高卒とは思えない存在感で、早々にチームの主軸となってリーグワン2連覇に大きく寄与。日本代表では19歳で初キャップを獲得し、23歳にしてすでに28キャップ。今回選ばれたFWのなかでは、90キャップのリーチに次ぐキャップ数である。

 ジョーンズHCはディアンズをキャプテンに任命した理由について、リーチの強い推薦があったことを明かしたうえで、「ワーナーはまだ若いが、パフォーマンスや選手としての力量をさらに高めるために、『キャプテン』という責任がきっかけになると思った」と説明する。

 また、海外のレフェリーと英語で交渉できる点も大きい。日本語も堪能なので、多彩なルーツを持つ選手が集まる代表チームにおいて、繊細なコミュニケーションが取れることもキャプテンに選ばれた理由のひとつだろう。

 ディアンズは今、心身ともに充実している。リーグワンで優勝を果たしたあと、プライベートではパートナーの日本人女性に国立競技場でプロポーズして結婚。そして来シーズンは故郷ニュージーランドのハリケーンズに期限付き移籍し、スーパーラグビーにも挑戦する。

「世界でベストのLOになりたい!」

 常にそう宣言しているディアンズは、着実にその階段を上がっている。

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