「ラガーマン大畑大介は永遠に不滅です」 8度の外科手術を乗り越えて立ち上がる生き様にファンは心を打たれた (3ページ目)
【ワールドカップ直前に再びアキレス腱が...】
日本代表としては、1999年と2003年のワールドカップ2大会に出場。7試合すべてに先発して、計3トライを記録している。しかし残念ながら、どちらの大会でも勝利を挙げることはできなかった。
2007年のワールドカップでは、なんとしても初勝利を手にしたかった。しかし、その年の1月にリーグ戦で右足のアキレス腱を断裂。ただ、それでもあきらめることはなく、8月に奇跡の復活を果たして日本代表に選ばれた。ところがワールドカップ直前、練習試合で今度は逆の左足のアキレス腱を断裂。無念の帰国となり、3度目のワールドカップ出場は夢と消えた。
2008年、大畑はリハビリに専念した結果、見事にリーグ戦で復帰を果たす。ただ、酷使した体はすでに限界を迎えており、2010年のトップリーグ開幕前に今シーズン限りでの引退を宣言。リーグ戦最後の試合で再び右ひざを負傷し、そのままブーツを脱ぐことになった。
現役時代、大畑が体にメスを入れた手術は合計8回。ケガをしていない箇所を探すのが難しいほどだったという。
「ボロボロになりながら、ここまでよくがんばれた。浮き沈みの激しい現役生活だったが、まったく悔いはない。選手としては終わったけど、ラガーマン大畑大介は永遠に不滅です」
大畑は完全燃焼して、選手生活にピリオドを打った。
為せば成る──。
大畑の座右の銘だ。
数々のトライも鮮明に記憶に残っているが、困難や壁にぶつかっても、何度でも立ち上がり続けた大畑の生き様こそが、多くのラグビーファンの心を打った。
著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
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