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「大谷翔平のようにラグビー日本代表も世界一を目指して」エディー・ジョーンズが語る選手への期待 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

――2015年W杯時は、ロックとセンターは外国人選手の力を借りると言っていましたが、その認識はあまり変わっていないでしょうか?

 リーグワンのチームを見ると、ロックで日本人選手がプレーしているところは、そんなに多くないですよね。見たとおりです。そこは自分がコントロールしているわけではないですが、私がやろうとしているところは、U20日本代表、JTS(ジャパンタレントスコッド)プログラムで、若手の日本人選手が成長するチャンスを与えていきたい。現在の日本代表のスコッドを見ると、JTSから上がってきた選手がFB矢崎(由高/早稲田大学2年)、HO佐藤健次(早稲田大学4年)、PR森山飛翔(帝京大学2年)と3名いて、そこから伸びています。

 JTSが設置されていなければ、この3人はジャパンに入らなかった。だから3人は非常に伸びるチャンスがある。どれほど成長するのかはまだわかりません。ですが、それは自分の責任の大きな一部だと感じています。日本のファンの多くは、外国人選手でいっぱいのジャパンを見たくないと思っています。だから、正しいバランスを見つけるというのが自分の仕事ですし、そこは、若手の日本人の才能を成長させることで自分としても提言していきたい。

――菅平のトレーニングキャンプに、日本代表の名WTBだった小野澤宏時さんの子息である、大学生になったばかりのFB小野澤謙真(慶應義塾大1年)を招集しました。「大学とは違ったプレーを見せてくれた」という言葉が印象に残っています。

 彼は本当にいい選手です。成長のためのチャンスを与えるといったような形になるかと思います。JTSにも呼びましたし、スピード感のある、ハイパフォーマンスといった考え方を頭の中に植えつける非常にいい機会になったと思います。まだ大学生1年ですが、もう少し成長の速度を上げることはできるかなと思います。

――HO原田衛選手(ブレイブルーパス東京)曰く、宮崎合宿の最初のミーティングでエディさんが雑誌を見せて、2027年W杯では日本代表選手がボクシング井上尚弥のように表紙を飾れ、と話したそうですね。

 はい。選手たちにそうなりたいと思ってほしい。もちろんラグビーはします。しかし若手にとってチャンスをつくるというという意味合いもあります。今、日本の野球をやっている子どもたちは「(ドジャーズの)大谷翔平選手のようになりたい」と望んだり、目指したりすることができる、つまり世界一になる道標ができている。

 ラグビーでは、世界に一番近かったのは(2019年W杯の)トップ8です。そうなると1番からまだまだ遠いので、その壁をどんどん壊していきたい。そうなりたいと選手も考えないといけないし、夢を見ないといけないし、それに向けて活動しないといけない。

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