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8年後のラグビーW杯出場も夢じゃない! 「花園」でブレイク必至な5人の高校生ラガーマン (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【日本代表81キャップを誇る名WTBの息子も出場】

 そして、九州勢2校とともにAシードに食い込んだのが、4度目の花園優勝を目指す「東の横綱」桐蔭学園(神奈川)だ。昨季は県予選で敗退したものの、今季は圧倒的な力で春の選抜大会を制覇して花園に乗り組んでくる。

 今季はスクラムの強いFW、スキルの高いBKと、各ポジションに能力が高い選手を揃えている。そのなかで注目すべきは、ラン、キックで得点に絡むプレーが期待されるFB吉田晃己(3年)だ。

 世田谷ラグビースクール出身の吉田は、FBとして身長167cmと決して大きいほうではない。だが、切れ味のいいランと高い精度のプレースキックが武器で、東海大相模との予選決勝では32得点(2トライ、5ゴール、4PG)を挙げて勝利に大きく寄与。名将・藤原秀之監督も「(吉田が)春から一番成長した」と目を細めた。

 自身初の花園を前に、吉田は「(予選決勝では)最後にゴールを外してしまったので、花園では100パーセント決められるようにがんばりたい」と意気込んでいる。

 注目の高校ラガーマン3人目は、2大会ぶり7回目の出場を決めた静岡聖光学院(静岡)のエースFB小野澤謙真(3年生)を取り上げたい。名前を見て気づいたファンも多いだろう。「うなぎステップ」の異名を取った日本代表81キャップの名WTB小野澤宏時氏の息子だ。

 小学校時代は横浜F・マリノスのスクールでスペイン遠征に参加するほどのサッカー少年だった。父と同じ静岡聖光学院に進んだ中学校時代もラグビーの練習は週1日ほどで、清水エスパルスSSジュニアユースでサッカーに打ち込んでいた。

 ただ、高校からは「ラグビーの楽しさに惹かれて」楕円球に専念。1年時からレギュラーとして活躍し、早々に花園の地を踏んだ。さらに2年時はオーストラリア留学を経験し、父譲りのステップとスピードで「セブンズの若手有望選手のひとり」と呼ばれるまでに成長している。

 今季の静岡聖光学院は東海大会で決勝に進出し、セブンズの全国大会でも11位の好成績を残している。小野澤は「父と練習したり、アドバイスしてもらえることはアドバンテージだと思っています。花園の目標はベスト8。花園でトライを取ってチームの勝利に貢献したい!」と語気を強めた。

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