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リーチ マイケルがファンから愛されるわけ...「ラグビーの祭典」の様子を現地レポート (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 キックオフ前に日本のファン、アルゼンチンのファン、フランスのラグビーファンも、ビールを片手に分け隔てなく談笑するのは、ラグビー文化のひとつだ。

 現地のファンは試合中も、試合後も、ビールを飲みながらラグビー談義に花を咲かせる。そうして交流を深めながら現地の雰囲気を味わうのも「ラグビーの祭典」の楽しいところ。

 3万3000人を超える観客のうち、日本代表のファンとアルゼンチン代表のファンの比率は同じくらいだったように見えた。試合が少し停滞すれば、「ウェーブ」が起きたり、フランス国家「ラ・マルセイエーズ」が歌われたりするも現地ならでは。

 ただ、アルゼンチン代表のファンはワンプレー、ワンプレーに声を出し続け、常に会場を盛り上げていた。空気感は、少しアルゼンチン寄り、だったかな。勝利したあとにアルゼンチン代表のファンがみんなで歌を歌っていたように、日本代表のファンも敵地のワールドカップで一体となるような、日本代表の背中を押せる歌やチャントがあってもいいかもしれない。

 そういえば、試合後のミックスゾーンで、日本代表FL(フランカー)リーチ マイケル選手は「6番」のジャージーを着たままで出てきた。理由は「シャワーを浴びる時間がなかった」からだが、それは試合後にずっとファンサービスをしていたためだろう。

 スタジアムを出たあとも、リーチは出待ちしていたファンにサインを書いたり、写真を撮ったり。

「このまま街に出ます! 見つけてください。『ウォーリーをさがせ!』ですね(笑)」

 その言葉どおり、リーチは本当に試合後の夜、ジャージーのまま街に出たそう。出会えたファンはラッキー! リーチがファンに愛される理由である。

著者プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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