ラグビーW杯ライバル分析《後編》 リーチが警戒するサモアの穴は? アルゼンチン戦は「残り20分で7点差」が勝負の分かれ目

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by AFLO

【リーチマイケルが最も警戒するサモアの底力】

 サモアは過去のワールドカップにおいて2度もベスト8進出を果たすなど、アイランダー(太平洋諸国)のなかで最も結果を残してきた。だが、近年では2015年大会と2019年大会、ともに1勝3敗で予選プール4位に終わっている。

 サモアの主力選手たちは、アイルランドのレンスター所属のPRマイケル・アラアラトアや、イングランドのブリストル所属のFLクリスチャン・ブイなどを筆頭に、海外クラブでプレーしている選手が多い。その影響もあって、代表チームはワールドカップの準備期間があまり取れず、規律面でいつも課題を抱えている印象だ。

 ただ、今回のサモアはひと味違う。2020年にトンガ出身とサモア出身の選手で構成されるスーパーラグビーチーム「モアナ・パシフィカ」が創設され、そこでトップラグビーの経験を積んだ選手が10人ほど代表メンバーに選出された。これがチーム全体の底上げとなっている。

 さらに2022年1月のワールドラグビーのルール変更により、サモアにルーツを持つオールブラックスやワラビーズの選手がサモア代表となったことも大きい。

 そのルール変更によって、オーストラリア代表で2019年大会に出場したCTBクリスチャン・リアリーファノ、2015年大会でオールブラックスの優勝に貢献した巨漢PRチャーリー・ファウムイナ、清水建設江東ブルーシャークスでプレーするSOリマ・ソポアンガなどがサモアの一員として今大会に出場する。彼らが豊富な経験をチームにもたらしていることは間違いない。

 サモアは大会直前、世界ランキング1位のアイルランドと対戦して13-17と大接戦を演じるなど、十二分に実力があることを証明した。リーチも「今大会はサモアが一番怖い」と警戒している。

 日本としては、過去2大会で勝利した時と同様に、まずは激しくプレーする相手に対して規律よくプレーすることが欠かせない。キックをうまく使って、相手陣でのプレー時間を増やすことも得策となるだろう。

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