ラグビー早大、完敗「どうにもならない差があった」帝京大との差を埋めるために、残された後輩たちがやるべきこと (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【後半は帝京大の独壇場】

 ところがその後、接点やスクラムで後手に回ると徐々に帝京大のペースとなり、2トライを奪われてしまう。ハーフタイムまで残り10分、早稲田大はディフェンスで粘りを見せてチャンスを待った。だが、前半終了間際にもトライを奪われ、12-28で折り返すことになった。

 なるべく僅差で試合を進め、相手にプレッシャーをかけていくはずのプランは、ここで崩れてしまう。大田尾監督は「前半最後のトライは痛かった。前半をもっとうまく戦えていたら、いろんな選択が変わっていた」と悔しそうに振り返った。

 後半は帝京大の、まさしく独壇場となる。

「ボールキープ力が違う。そこからオプションを持ったアタックをしてくる」と大田尾監督が脱帽したように、帝京大は強化を図ってきた接点を前面に押し出してきた。継続してくるアタックを止めることは難しく、ジャッカルやラックから相手ボールを奪うこともほとんどできなかった。

「(自らが仕掛けての)ターンオーバーは(前半の)1回のみだった。いいタックル、コリジョンがないと取り返す機会がなかった」と、キャプテンのFL(フランカー)相良昌彦(4年)も肩を落とすほどだった。

 結果、後半は帝京大の多彩な攻撃の前に7トライを献上し、早稲田大はインターセプトから槇が挙げた1本しか返せず20-73で大敗。73得点、得失点差53、11トライは決勝戦での大会新記録となる屈辱的な黒星となってしまった。

 その内容に、大田尾監督も相良主将も完敗を認めた。

「このチームが歩んだ道のりはすばらしいもので、僕自身が胸を張ることのできるチームだった。しかし、勝たせられなかった。こういう展開になってしまったのは全部、僕の責任です。力の差を感じました」(大田尾監督)

「今季、積み上げてきたはずの接点とかセットプレーが足りなかった。帝京大のほうが1枚も2枚も上手だった。接点でいかれる部分も大外でいかれる部分もあって、FWだけでなくBKもすごかった」(相良主将)

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