高校ラグビー花園開幕。史上4校目の「高校3冠」に挑む兵庫・報徳学園を阻むライバル校はどこか (2ページ目)
【対抗馬は九州の雄と前回覇者】
その報徳学園が警戒する相手のひとつが、こちらも高校日本代表候補を8人擁するAシードの東福岡(福岡/23大会連続33回目)だ。過去6度の優勝を誇る全国屈指の強豪校だが、昨季まで5シーズン連続でベスト4に終わっている。藤田雄一郎監督は退任も考えたというが、選手や保護者の要望で続投を決意し再び花園を戦う。
伝統的に優秀なランナーが多く、FWとBKが一体となってボールをワイドに展開する。「今季はディフェンスからチームを作り上げてきた」と藤田監督と話すように、練習の6~7割はタックルや組織ディフェンスに注力してきた。キャプテンFL(フランカー)大川虎拓郎(3年)、LO(ロック)舛尾緑(3年)、CTB(センター)西柊太郎(3年)、FB石原幹士(3年)とタレントも揃っている。
春の選抜大会はコロナ禍の影響で決勝戦を辞退し、夏の7人制の大会は準優勝に終わった。今季こそは「フェニックス」の愛称で親しまれる東福岡が6シーズンぶりの復活優勝を果たすか。
昨季、4大会ぶり6度目の花園優勝を果たした東海大大阪仰星(大阪第3/4大会連続22回目)も、当然ながら今大会の優勝候補だ。春の選抜大会はベスト8止まりだったが、5月のワールドユースは強豪校を抑えて優勝している。
チームの中心は運動量の豊富なキャプテンFL松沼寛治(3年)、PR石原捷聖(3年)、FB増山将(3年)ら昨季の優勝を経験している選手たちだ。さらに183cmのSH高來亜(こう・らいあ/3年)や今年入学してきたCTB吉田琉生(1年)などメンバーは多士済々。
選手・コーチ時代も含めて6度の優勝すべてに関わっている湯浅大智監督は「策士」として知られる。昨季はFWとBKが一体となった「スタンディングラグビー」を復活させて頂点に立った。地元で戦えるメリットも活かして連覇を目指す。
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