父は74代、息子は105代主将の早大ラグビー親子鷹。相良昌彦「赤黒ジャージーを着てもう負けたくない」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

大学ラグビー2022注目選手インタビュー
早稲田大・相良昌彦(4年/FL)

「この試合でシーズンが終わることが怖くて、後半の最初はヒヤヒヤしましたが、信じていました。後半途中から盛り返してくれて、勝ってホッとしました!」

 そう正直に吐露したのは、早稲田大学ラグビー部の105代目キャプテン相良昌彦(4年)だ。3年前にチームを優勝に導いた前監督・相良南海夫氏は実父で、親子で早稲田大のキャプテンを務めるのはラグビー部史上、初めてのことだ。

早稲田大105代目キャプテンを務める相良昌彦早稲田大105代目キャプテンを務める相良昌彦この記事に関連する写真を見る 12月11日、ライバルの明治大に21-35で負けた早稲田大は関東対抗戦3位となり、大学選手権3回戦からの出場となった。

 選手権初戦の相手は、今季関東リーグ戦で「台風の目」となった東洋大(リーグ戦3位)。南アフリカ人やトンガ人など留学生が在籍し、FWに強みを持つ勢いのあるチームだ。

 11月23日の「早慶戦」で右ひざを負傷し、楽しみにしていた「早明戦」に続いてメンバー外となった相良は、ベンチの前に立ち、大きな声でチームを鼓舞し続けた。結果、早稲田大は重圧をはねのけて34-19で逆転勝利。明治大(対抗戦2位)が待つ12月25日の準々決勝に駒を進めた。

「興奮しすぎて、天然芝に入ってしまい怒られてしまいました(苦笑)。試合に出ている23人だけでなく、チーム全体がこの一戦にかけていたので、勝てて本当によかった」

 対抗戦の帝京大戦(17-49)や明治大戦での敗因は、FWのセットプレーで劣勢となったことが大きかった。ただ、東洋大戦ではFW陣が踏ん張りを見せた。マイボールラインアウトを安定させ、序盤は押されたスクラムも後半は立て直すことに成功。チーム一丸となって相手にプレッシャーを与えられたことが勝利につながった。

「プレッシャーのなか、このゲームを越えられたので、チームとして一段階成長できた。1戦、1戦、積み上げることができている。(大学選手権の)早明戦につながる試合になった」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る