早大が重圧を乗り越え、東洋大に逆転勝利。ゲーム主将の吉村紘「正直、コワかった」 (3ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●撮影 photo by Saito Ryutaro

【いざ宿敵明大にリベンジ】

 明大戦まであと2週間ある。勝負のポイントは接点、セットプレー(スクラム、ラインアウト)だろう。まだまだ、チームにハンドリングミスが多すぎる。プレーの精度をいかに高められるか、敵陣の22メートルライン内に入って、どう仕留めることができるか。

 要は、上井草の練習からタフ・チョイスができるか、だろう。

 明治へのコワさは?と聞けば、吉村は「あります、あります」と笑って繰り返した。

「個人としても、チームとしても、今週以上の大きなプレッシャーがかかると思うので、チーム一丸になって準備していきたいなと思います」

 明大へのリベンジなるか。吉村は再び、重圧のなか、荒れた海に漕ぎ出すのである。部員全員の力を結集して。

【著者プロフィール】松瀬学(まつせ・まなぶ)
ノンフィクションライター。スポーツジャーナリスト。日本体育大学スポーツマネジメント学部教授。元共同通信社記者。長崎県出身。早大ラグビー部ではプロップで活躍。1987年の第1回大会からすべてのラグビーW杯を取材。また夏季五輪も1988年ソウル大会から2021年の東京大会まで9回取材している。著書に『荒ぶるタックルマンの青春ノート 石塚武生のラグビー道』(論創社)、『ONE TEAMのスクラム 日本代表はどう強くなったのか?』 (光文社新書)など。

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