「リーチ マイケルの後継者」は早くも大学デビュー。花園を沸かせたスター高校生たちの現在地 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

早稲田大には高校随一のCTB

 4人目は、昨年度の大学選手権で正月越えを果たせなかった早稲田大から。今季加入した30名の部員のなかに高校随一のビッグネームがいる。東海大大阪仰星を6度目の花園優勝に導いたCTB野中健吾だ。

 父の後押しで5歳からラグビーをはじめ、兄は清水建設江東ブルーシャークスに在籍するCTB野中亮志。彼らの影響もあってメキメキと頭角を現し、昨年度は夏のセブンズ全国大会で優勝、さらには花園でも兄と同様に日本一となった。

 特に花園では、身長181cm体重94kgと恵まれた体格を持つ野中のプレーは攻守に際立っていた。大阪府予選から3回戦まで相手を無失点に抑えるディフェンスに貢献し、アタックでは2回戦でハットトリックを達成。ライバル東福岡との準決勝では17得点を挙げるなど、大会MVP級の活躍だった。

「兄からは『自己実現するためには、自分を貫くしかない』と言われていました。大学でも文武両道を頑張りたい」

 ラグビーと勉強を両立し続けていた兄を尊敬し、早稲田大への進学を選んだ。

 早稲田大の新キャプテンに就任したFL(フランカー)相良昌彦(4年)も「体格もあるので期待しています」と語るように、縦に強い野中の存在が早稲田大の高速バックスのアクセントになりそうだ。

 そして最後は、日本代表FLリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)の後継者になる可能性を大いに秘めた選手を紹介したい。

 昨年度、岡山・倉敷高は花園初出場を果たした。その立役者が、この春に関東学院大に入学したNo.8(ナンバーエイト)ティポアイールーテル・ラリーだ。身長192cm体重112kgという見事な体躯を誇り、もちろん高校日本代表候補にも選出された逸材である。

 サモア代表の父を持ち、兄はアイルランド代表CTBのバンディ・アキ。サモア生まれで10歳からニュージーランドにわたり、当初は「日本に来ることは全然考えていなかった」のだが、U14オークランドのコーチが倉敷高・梅本勝監督の知り合いだった縁もあり、「日本で勝負しよう」と来日した。

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