ラグビー帝京大、今季無敗でV10達成。次の世代も有望株ばかり、再び黄金時代の到来か

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【大学生オリンピアンも脱帽】

「自分たちで隙を作ってしまった」(細木主将)と準決勝を反省し、この1週間はしっかりと体を当てる練習を繰り返したという。そして試合前、岩出監督は「ラグビーはコンタクトスポーツ、タックルが尽きる試合をしよう!」と選手たちを鼓舞してピッチに送り出した。

 その成果もあり、帝京大フィフティーンはまさしく「赤い壁」となり、素早く前に出続けた。個々が相手にしっかりと肩を当てて攻撃を止め続け、試合を通して崩された場面はほとんどなかった。また、相手を倒すだけでなく、ラックを乗り越えてHO(フッカー)江良颯(2年)やWTB(ウィング)二村莞司(3年)が相手ボールをジャッカルするなど積極的なタックルが光った。

 象徴的だったのは15−0で迎えた前半ロスタイムのシーンだ。帝京大のタックルの前に明治大が攻め急いでしまい、ロングパスを投げたところをWTB白國亮大(4年)がインターセプト。「長くて速いパスを投げてくることがわかっていた」と相手の判断を読み切ってトライをあげ、前半だけでハットトリックを達成した。

「帝京大のディフェンスのプレッシャーは予想以上に強かった。(攻撃の)オプションがなくなってしまって、少しテンパってしまった。周りが見えていなかったので、いつもと違う選択をしてしまい(インターセプトを)狙われた」

 大学生唯一のオリンピアン(東京五輪7人制ラグビー代表)である明治大WTB石田吉平(3年)は試合を振り返り、肩を落とした。

 帝京大二つ目の勝因は、FWのスクラムだ。特に後半23分、スクラムで明治大に勝った時は、細木主将が両手を挙げてこの試合一番の雄叫びを上げた。「明治大がメンバーを交替して、フレッシュな状態で(最初のヒットで)かなりプレッシャーを受けて少しメンタル的にくらったなと思ったが、後ろの押しをもらいながら押し勝てた。押し込めたことがうれしかった!」。

 6月の練習試合で対戦した時は明治大のスクラムと互角だったが、この決勝戦では帝京大FWが圧倒していた。元ヤマハ発動機(現・静岡ブルーレヴズ)の田村義和氏をコーチとして招聘し、1年かけて8人一体となるスクラムを作り上げたという。

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