2022.01.10

ラグビー明治大「4年間で一番、きつい練習をしてきた」けど完敗。最初のスクラムの反則で「消極的になる部分があった」

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • photo by 齋藤龍太郎

敗戦後、観客席に頭を下げる明治大敗戦後、観客席に頭を下げる明治大

 これほどフィジカルバトルで後手を踏むとは。これほどスクラム、接点、タックルでやられるとは。明大は14-27で帝京大に敗れ、3季ぶりの王座奪還は成らなかった。崩れたシナリオ、優勝で『明治プライド』を完全に取り戻すことはできなかった。

 9日、晴天下の東京・国立競技場。ラグビーの大学選手権決勝。ノーサイドの笛に呆然と立ち尽くす紫紺のジャージ。SH(スクラムハーフ)の飯沼蓮主将に涙はなかった。

 「帝京大学さん、強くて......。やりきったんですけど、強かったんで......。完敗だなという感じですね」

 試合後の記者会見。就任1年目の神鳥裕之監督も、「ほんとうに完敗だったと思います」と漏らした。

「潔く負けを認めることが大事だなと。ただ、4年生を中心にほんと、よくやってくれました。僕は誇りに思います」

 試合前、国立競技場から徒歩5分の宿泊ホテルの会議室で最後のミーティングが開かれた。そこで試合メンバーは、スタッフが制作したビデオ映像を見た。

 これまでの試合のシーン、1年間のつらい練習風景、そして試合に出られない4年生の熱いメッセージがつづく。涙ぐむメンバーもいたそうだ。4年生HO(フッカー)の田森海音はこう、思い出す。

「グラウンドに出て戦えるのは23人だけだということを再確認しました。春から、しんどい思いをしてきたシーンなどを見て、僕らはこれだけ頑張ってきたのだから、あとは幸せを感じながら、試合に出られない仲間のことを思いながら、グラウンドで見せるだけだという気持ちになりました」