2022.01.10

花園Vの東海大大阪仰星。日本一になるために変わったきっかけは「監督を疑え」の教えと数学教師からの「正解でなくてもいいのでは?」

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 1月8日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で101回目の「花園」こと全国高校ラグビー大会の決勝が行なわれた。6度目の王者を目指す東海大大阪仰星(大阪第2)と、初の決勝となる國學院栃木(栃木)が激突。結果は仰星が多彩なアタックと固い守備で36−5と勝利し、4年ぶりに頂点を掴んだ。

 中高一貫の仰星は、高校生のラグビー部員だけで110人、中学生を入れれば150人以上となる巨大クラブ。それら部員を引っ張るNo.8(ナンバーエイト)薄田周希キャプテンはノーサイドの瞬間、ヘッドキャップを外して天を仰いだ。

「最高にうれしい! 1年、2年とベスト8だったので、しんどいことをやってきた結果。花園は自分もチームも成長できる最高の場所でした」

4年ぶりに花園を制した東海大大阪仰星4年ぶりに花園を制した東海大大阪仰星 この記事に関連する写真を見る  今季の仰星は専門のフィジカルコーチを週1回招聘し、体作りに時間を割いてきた。その成果もあり、夏の7人制ラグビーの全国大会では見事優勝。努力と結果が結びつき、自信を深めていた。

 今大会も勢いは止まらず、大阪府予選から花園3回戦まで相手を零封に抑えるなど、攻守ともに充実した内容。準決勝では春の選抜大会で圧倒(17−46)された優勝候補筆頭の東福岡(福岡)を42−22で下し、ついに決勝まで駒を進めた。

 決勝の相手は今季の関東大会王者「國栃」こと國學院栃木。花園には過去26回出場しているが、これまでベスト8の壁を打ち破ることはできていなかった。しかし今大会では堅守を武器に、3回戦で流通経済大柏(千葉)、準々決勝で長崎北陽台(長崎)、準決勝で花園3連覇を狙った桐蔭学園(神奈川)と、強豪チームを次々に撃破。今大会、最も注目を集めるチームになった。

 試合の焦点は、仰星がどうやって國栃の守備を崩して得点を挙げるか。國栃としてはロースコアに持ち込み、自分たちの土俵で戦いたいところだ。

 國栃の固い守備を崩すために、仰星を率いる湯浅大智監督は選手たちに「はやさ」というテーマを与えたという。そして、状況に応じてどう判断し、プレーするかは選手たちに任せた。