2021.06.28

「五郎丸ポーズが大ブーム」になったからこそ感じた孤独。五郎丸歩は違和感を覚えていた

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

五郎丸歩インタビュー@後編

「五郎丸ポーズ」が大ブームとなり、たちまち日本ラグビー界の顔となってから6年。五郎丸歩は35歳で引退を決意し、新たな道を歩もうとしている。2022年1月開幕の新リーグに向けて、ヤマハ発動機ジュビロが新設するプロクラブのスタッフとして働くことになった経緯を聞いた。

「五郎丸歩インタビュー@前編」はこちら>>

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プレースキック前のルーティンは一躍大ブームになったプレースキック前のルーティンは一躍大ブームになった この記事に関連する写真を見る ---- 五郎丸さんと言えば、2015年W杯後にプレースキック前のルーティン「五郎丸ポーズ」がフューチャーされました。その時の心境は?

「ラグビーをずっと続けてきた人間としては、個人が注目されることに違和感を覚えるところはありましたし、『ラグビーのよさはそこじゃない』という思いもありました。それでも、僕がきっかけでラグビーを知ってもらえるだけでもありがたかったし、2019年W杯に向けてラグビーのよさを発信し続けなくちゃいけないという責任感も感じていました。

 だから、注目されたことでネガティブな気持ちになったことはまったくありません。スポンサー主催でラグビー教室を開いた時、生徒ひとりひとりに1個ずつボールを持って帰らせてくれるという要望を聞いてもらえるなど、ありがたかった面も多かったですし」

---- 周囲が大騒ぎしていることで、逆に孤独は感じなかったのでしょうか?

「孤独感はありましたよ。チームとしてあれだけがんばったのに、僕ひとりだけがフォーカスされたので、一緒に戦った選手たちに申し訳ないという気持ちもありました。

 自分が進んでいった道は、過去に日本ラグビー界で歩んできた人が誰もいなかったので、やっぱり孤独でしたよね。でも、FB(フルバック)はポジション柄、いつも孤独なので(笑)。

 僕ら2012年から始まった日本代表メンバーの夢は、『日本代表のジャージーを着たファンでスタジアムが満員になってほしい』ということでした。だから2019年W杯の開幕戦、東京スタジアムが満員になって、みんなが日本代表のジャージーを着てくれていた時は、本当に感無量でした」