これがラグビー日本代表の未来だ。今季の大学1年は「金の卵」ばかり (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 明治大は昨年の対抗戦で全勝優勝。大学選手権の決勝では早稲田大に敗れたものの、今年も対抗戦の優勝候補であることは変わらない。

 今季の明治大では、6人ほどの1年生がAチームで練習している。そのなかでも光を放ち、開幕戦から10番を担いそうなのが東海大相模出身のSO池戸将太郎だ。正SOの山沢京平(4年)はケガのため、対抗戦後半からの出場が濃厚とされている。

 高校時代の池戸は同じ神奈川の桐蔭学園に県大会で負け続け、花園の舞台に立つことができなかった。桐蔭学園を率いた前出の伊藤と比べると、まだ全国的に無名かもしれない。ただ、元日本代表SH(スクラムハーフ)の田中澄憲監督は「パスのスキルが高くてポテンシャルがある」と目を細める。

 池戸本人も「ディフェンスやコンタクトは課題ですが、ゲームメイクや(パスの)スキルには自信があります。(山沢)京平さんがいない間に、チャンスをもらって、どれだけ自分を伸ばせるかチャレンジしたい」と意気込んでいる。

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 慶應義塾大は昨年対抗戦5位に沈み、大学選手権の出場を逃してしまった。元日本代表WTB(ウィング)の栗原徹HC(ヘッドコーチ)体制も2年目を迎え、今シーズンこそは巻き返しを図っている。

 そんな慶應義塾大の中で、1年生ながらエースとして期待されているのが報徳学園出身のFB山田響だ。2年前、当時高校2年生で唯一ユースオリンピックのセブンズ日本代表に選出されて、銅メダルの獲得に貢献。さらには高校日本代表にも選出された逸材だ。

 身長174cm体重74kgとやや細身だが、スピードはもちろんのこと、ステップにもキレがあり、左足からのキックもうまい。ルーキーながら大きな戦力になりそうだ。高校時代には「将来はセブンズの日本代表になってオリンピックに出たい」とも話していた。慶應義塾大で1年生から活躍し、ひと回りもふた回りも成長することができるか注目したい。

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