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スーパースターたちがなぜ続々と来日?
日本でラグビーをする貴重な価値 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji


 単純に金銭的な魅力だけなら、フランスやイングランドといった欧州リーグのほうが上かもしれない。ただ、日本は他国に比べて治安がよく、家族とプライベートな時間を多くとれる点が魅力的に映るようだ。

 かつて日本でプレーした元南アフリカ代表選手は、「財布を置きっぱなしにしても盗られないし、車を運転している時に襲われることもない」と驚いていた。また、南アフリカでコーチをしていたオーストラリア人が日本での指導を選んだことについて、「子どもが生まれたから」と安全面を理由にあげていた。

 昨年結婚したバレットも「安全に暮らせる点に惹かれた」と話す。バレット夫人は今年の秋に第一子を出産予定で、家族にとって快適かつ安全に暮らせる点も重視したことは間違いないだろう。

 また、トップリーグの試合数は過密ではなく、スーパーラグビーと違って移動時間や距離も短い。日本のラグビーはフィジカルよりもフィットネスやスピードを重視する傾向にあるので、外国人選手にとっては肉体的負担が少ないのも人気の要因だ。

 こうした理由から、2003年に始まったトップリーグには多くの一流外国人選手が来日してきた。神戸製鋼を15シーズンぶりの優勝に導いた元オールブラックスのレジェンドSOダン・カーターを筆頭に、これまで5人の世界最優秀選手が日本でプレーしている。

 サントリーに在籍した南アフリカ代表のFL(フランカー)スカルク・バーガーは2004年に受賞、三菱重工相模原(当時2部リーグ)でプレーしたウェールズ代表のWTB(ウィング)シェーン・ウィリアムスは2008年、トヨタ自動車でプレーしたニュージーランド代表No.8(ナンバーエイト)キーラン・リードは2013年、来季も神戸製鋼と契約しているオールブラックスのLO(ロック)ブロディ・レタリックは2014年、そして上記のカーターは2005年・2012年・2015年と3度も世界最優秀選手賞に輝いている。

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