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入試直前まで花園で戦った
浦和高ラグビー部員は、その後どうなった? (4ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文  text by Kadowaki Masanori
  • photo by Sportiva


 浦高では、この「守・破・離」を3年間の高校生活に当てはめているのだ。

「守」
浦高生になる。「授業で勝負」の浦高で、予習─授業─復習の仕方を体得し、学校生活のあり方を学ぶ。部活動等との両立も会得する。

「破」
浦高生として挑戦する。浦高の型を体得した上で、さらに自分の可能性を追求する。学習にしっかり取り組みつつ、部活動や行事、委員会活動など、やりたいこと、なすべきことに全力で取り組む。

「離」
浦高生として自走する。独り立ちし、将来に向け自分自身の道を歩み始める。大人としての自覚を持つ。

(※ 埼玉県立浦和高等学校のホームページからの引用)

 三宅先生は、これまで自分がしてきたコーチングは、この「守・破・離」そのものであると語る。

「先程、少し話が出ましたが、浦高でラグビーを始める生徒たちは、ほとんどが初心者になります。だから、最初は『守』として教え込むことも必要になってきます。例えば、ラグビーでスクラムから攻める状況になった時、順目・逆目サイドのアタック方法や、その際のフォワードとバックスの位置取りなどにはいくつかのオプションがあり、いろいろな動きのパターンやそのためのスキルを、まずは教えていかなければなりません」

「すると、生徒たちはそれをベースに自分たちで考えながら、何度も何度も失敗して、それを自分たちにフィードバックしていく、次の『破』の段階に入っていくんです。そうすることで、生徒たちはいろいろなパターンを、対戦チームに合わせて使っていけるようになります」

「こうして、最後の『離』ですべてを任された生徒たちは、新しいプレーのアイディアを自ら出し、自ら練習し、それを試合で発揮していくんです。任されることで伸び伸びと、気持ちよくプレーしていけるようになるんですね。それが、今回の花園だったのではないかと僕は思うんですよ」

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