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稲垣啓太「満足したら、あっさり引退します」。
ブレずに豪快!侠気語録 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji


 昨年のラグビーW杯、予選プール第2戦。日本代表は当時世界ランキング2位のアイルランド代表を倒し、「静岡の衝撃」としてラグビーの歴史に名を刻んだ。

 ノーサイド後、稲垣は人目をはばからず、FL(フランカー)ピーター・ラブスカフニの胸で泣いた。その光景はテレビ映像だけでなく、SNSでも世界中に拡散された。

 試合の翌週、共同囲み取材の場に稲垣が登場。記者が真っ先に上記のことを尋ねると、稲垣は「泣いたことはないです」と食い気味に答えた。

「まだ(ベスト8という)目標も成し遂げていないですし、(静岡の勝利は)それを達成するひとつの過程です」

 稲垣節の効いた言葉が返ってきた。

 ラグビーW杯期間中の稲垣の取材でとくに印象に残っているのは、ベスト8進出を決めたスコットランド代表戦の試合後だ。稲垣はこの大舞台で、日本代表33試合目にして初めてトライを挙げた。

「7年間の(日本)代表で、初トライで、みんながつないでくれた。一番いい舞台で、いい形で、トライを獲らせてもらった。この4年間はいろいろなことを犠牲にしたが、まずは目標がひとつ達成できてよかった。もっといい景色が見られるように、チーム一丸がんばりたい」

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