齋藤直人がサンウルブズで初先発。「うまくいかない」状況で輝きを見せた

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 経験は宝だ。15日のスーパーラグビー(SR)。日本のサンウルブズはチーフス(ニュージーランド)に17-43で敗れ、開幕2連勝とはならなかった。だが、新星の早稲田大学4年、SH(スクラムハーフ)齋藤直人が光り輝いた。SR初先発の緊張を楽しむかのごとく。

早稲田大学卒業後の活躍も期待される齋藤直人早稲田大学卒業後の活躍も期待される齋藤直人「楽しかったです。負けましたけど、もっともっと試合に出たいなと思いました」

 試合後のミックスゾーン。齋藤は言葉に充実感を漂わせた。試合中に切ったのだろう、口の下に貼られた2枚のバンソウコウに血がにじんでいた。

「収穫は?」と聞かれると、「そーですね」とSHはつづけた。

「うまくいかない試合を経験できたことじゃないですか。ただ、このままで終わらせるんじゃなくて、こういう状況でも試合を組み立てたり、自分がいいプレーをするために周りとコミュニケーションをとったりしていきたい。次につなげないと意味はないですから」

 初戦では後半20分間、プレーした。その初戦で主力のSHルディー・ペイジがケガをしたため、齋藤にめぐってきた先発チャンスだった。自分に課したテーマが「アタックのコントロール」。

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