2020.01.03

早稲田大がキーマン復活で快勝。
敵将も「バックスは理想の形」と讃えた

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 FWとBKがしっかりと噛み合い、今季一番のラグビーを見せた臙脂(えんじ)のジャージーが関西王者を圧倒。計8トライを奪い、新国立競技場で開催される決勝の舞台へと駒を進めた。

 1月2日に秩父宮で行なわれたラグビー大学選手権・準決勝。1試合目は、6シーズンぶりの決勝進出を目指す早稲田大(関東対抗戦2位)と、昨年度に続いて決勝進出を狙う天理大(関西大学Aリーグ1位)が激突した(2試合目は明治大vs東海大)。

8トライの快勝で天理大を下した早稲田大 ともにシード校のため、大学選手権は準々決勝からスタート。早稲田大は日本大(関東リーグ戦2位)に57−14、天理大は流通経済大(関東リーグ戦3位)に58−28で快勝し、準決勝へと進んできた。両校とも攻撃力に長けたチームだけに、この日の試合は守備が焦点になると予想された。

 だが、フタを開けてみれば、臙脂のジャージーの早稲田大が予想を上回る攻撃力で、集まった1万8千人の観客を魅了した。1カ月前、関東対抗戦の「早明戦」で明治大に7−36と力負けした姿は、もうそこにはなかった。

 ライバルに大敗したことで、早稲田大は練習に対する心構えや質が変わったという。事実、試合における攻守のブレイクダウン(接点)の強度やしつこさは、対抗戦の終わりの頃と比べて格段に上がっていた。大学選手権初戦のテーマは「リボーン(生まれ変わる)」だったが、たしかに日本大戦ではさらに進化した姿を見せた。

「必ずいいゲームができるという手応えが、試合前日までの準備段階であった。(明治大に負けて)選手もやらないといけない気持ちになったし、(シーズン終盤で)練習の強度を調整しても成長しないという話もしました。濃い練習の成果が、この2試合(日本大戦、天理大戦)に表われていた」

 早稲田大を率いて2年目となる相良南海夫(さがら・なみお)監督はこう胸を張った。

 この天理戦では、早稲田大の攻撃をさらに後押しした出来事があった。身長186cmの大型CTB(センター)中野将伍(4年)が復帰したことだ。早稲田大は前半だけで3本のトライを挙げて主導権を握ったが、すべて中野が絡んでいた。