2019.09.12

箕内拓郎が日本の熟成度に太鼓判。
唯一不安はケガ時の組み合わせだ

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 長尾亜紀●写真 photo by Nagao aki

レジェンドたちのRWC回顧録⑫ 2007年大会 箕内拓郎(後編)

 いよいよラグビーワールドカップ(RWC)日本大会の開幕が迫ってきた。ラグビー界も盛り上がってきた。話題のTBSテレビのラグビードラマ『ノーサイド・ゲーム』は好視聴率を重ねている。

現在は、日野レッドドルフィンズのFWコーチを務める箕内拓郎

 ドラマには本物のラガーマンが多数、出演した。とくに元日本代表主将の廣瀬俊朗さんの演技は好評を博している。廣瀬さんとテレビのラグビー解説を一緒に行なったあと、箕内拓郎さん(NEC-NTTドコモ-日野FWコーチ)への取材は行なわれた。

 箕内さんもテレビドラマに出させてもらったらどうですか?と聞けば、43歳の人格者はプッと吹き出した。

「僕は俳優じゃないから、演技なんてとてもじゃないけど無理です」

 箕内さんは、指導者の道を歩んでいる。ただいま、日野レッドドルフィンズのFWコーチを務めながら、同じく元日本代表の菊谷祟さん、小野澤宏時さんとスポーツアカデミーを立ち上げ、小学生のラグビー指導にも携わっている。

「子どもたちを教えることで自分自身も成長できるだろうし、小学生の時期から高いレベルの情報があれば、子どもたちもまた成長できるだろうし…。自分の経験を伝えていきたいなと考えています」

 言葉の端々から、箕内さんのラグビーへの溢れんばかりの愛情をひしひしと感じる。「楽しかった」と述懐する2003年RWC豪州大会に次ぎ、2007年フランス大会でも日本代表の主将を務めることになった。

――2007年RWCはどんな大会でしたか。

「戦えていたという印象があります。ただ、このワールドカップのすごい記憶はやっぱり、ケガですね」

――大会前、エースの大畑大介さんがアキレス腱を断裂しました。

「初戦のオーストラリア戦(●3-91)で、(佐々木)隆道がケガを負い、勝ちに行ったフィジー戦(●31-35)でもSH(スクラムハーフ)が2人とも負傷してしまって…。(吉田)朋生が足をつって、代わりに入った矢富(勇毅)もすぐにケガしたんです。これから、追い上げようという時、SHが2枚、いなくなった。フィジーがバテていたので、テンポを上げようとしても、(ボールを)素早くさばくハーフがいなくなって。プライス(ロビンス)が替わりにやったんですが、ハーフを経験したこともないブライスも慣れていないこともあって、(大西)将太郎がうまくサポートしてさばいてくれてたけど、攻撃のリズムが上がらないまま終わってしまいました」