日本代表がイングランドをぶちかます。
完敗するも新たな歴史を築いた

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 スポーツは歴史である。銀杏の落ち葉舞う、初冬のロンドン郊外。ラグビー日本代表は、史上初めて、その母国の聖地トゥイッケナム・スタジアムで強豪イングランド代表に挑み、8万1千余の大観衆を沸かした。逆転で敗れたとはいえ、日本ラグビー史に新たな1ページが刻まれた。

トライもあげ、主将としてチームを引っ張ったリーチ・マイケルトライもあげ、主将としてチームを引っ張ったリーチ・マイケル

 まぶしい光景だった。11月17日。後半、イングランドはエースのセンター(CTB)オーウェン・ファレルを投入してきた。ほぼ満員の観客席がどよめく。日本がペナルティーを連発。観客が歌い出したイングランドの有名な応援歌『スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット』の歌声がうねりとなり、スタンドを揺るがした。

 リーチ・マイケル主将は「初めての体験。この雰囲気の中でラグビーができて、すごく楽しかったです」と充実感を漂わせながら、こう続けて記者を笑わせた。

「昔、(家庭用)ゲーム機があって、イングランド代表と戦うとき、この歌がかかっていた。それを生で聞けて、すごくよかったです」

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