ラグビーW杯に向けて最高の教材。日本を選んだダン・カーターを直撃 (2ページ目)

  • 小川由紀子●文・写真 text & photo by Ogawa Yukiko

 2015年のW杯後はフランスリーグ、トップ14のラシン92に史上最高額で迎えられ、初年度でリーグ優勝に貢献。そして3年目、最後の年となる今季はリーグタイトル(4月20日現在3位)とヨーロッパチャンピオンズカップのダブル優勝に挑んでいる。

 レギュラーシーズンも大詰めの23節、強豪トゥーロンを17-13で下した試合のあと、カーターはまるでちびっこのようにペタペタと靴下姿で取材エリアに現れ、来季の日本行きへの思いを笑顔で語ってくれた。

――来季、カーター選手の姿をトップリーグで見られることを日本のファンは今からとても楽しみにしているのですが、日本でプレーすることを決めた理由は?

「僕にとって、少しチェンジが必要な時期にきていたんだ。3年間フランスで素晴らしいシーズンを過ごした。本当に楽しんだよ。でも、もう少しだけ故郷のニュージーランドに近い場所に行きたかったというのがまずあった。日本はここ(フランス)よりもずっと近いからね。

 でもそれだけじゃなくて、日本にはこれまで4回行ったことがあるんだけれど、ラグビーも含めて、スポーツがものすごく盛んな国だと感じた。それに、毎回日本に行くたびに、人々やフレンドリーで礼儀正しいカルチャーにすっかり魅了されてしまってね。今は日本で生活を始めることをとても楽しみにしているんだ!

 僕自身は代表でのキャリアには終わりを告げたけれど、日本はこれからラグビーW杯と東京オリンピック開催を控えている。一選手として、そんな国でプレーできるなんて素晴らしい機会は他にない。そのことも日本でプレーすることを選んだ理由のひとつなんだ」

――日本のラグビーについては、どのくらいご存知ですか?

「ニュージーランド人のラグビー仲間が何人も日本でプレーしていて、彼らからは、リーグのレベルも年々上がっていると聞いている。選手のレベルも含めてね。

 実際、日本代表だって、ものすごく印象的だ。2015年のW杯では南アフリカを破ったし、ここ(Uアリーナ)での試合でも、フランスと引き分けたし(2017年11月25日、 23-23)、日本が勝ってもおかしくない試合だった。日本のラグビーはどんどん強くなってきていると感じている。リーグのレベルもね。そこで自分がどこまでやれるか試してみたいんだ」

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