日本のフルバックは譲らない。
松島幸太朗がストイックにパワー増強中 (3ページ目)
試合数の増加に伴い、これまでのようにじっくり体を鍛えることができなくなるなかで、松島は体重の増量計画を決断。トップリーグ期間中の12月下旬に故障したのをきっかけに、計画をスタートさせた。
81キロだった体重は、スーパーラグビーの終盤の頃になると88キロまで増えていた。今季のトップリーグ開幕前は「夏場はすごく暑いので、少し落ちて87キロ」と話していたが、本来の体のキレを保ったままパワーをつけたのは間違いない。松島は言う。
「相手に囲まれた状態でもボールを取られなくなったし、(タックルを)外せるようになった」
それまで大男たちをかわすように走ってきた松島が、捕まっても簡単に倒れない力強さを得た。バージョンアップした体を、スーパーラグビーや今年6月に行なわれた日本代表のテストマッチ、さらにはトップリーグでも存分に生かしている。
また松島は、チームが優勝したときなどを除き、断酒を決め込んでいる。さらに、試合中はいくら好調であっても、途中で筋肉などに違和感が出たら勇気を持って交代を申し出る。継続して高いパフォーマンスを維持すべく、コンディションには細心の注意を払っている。
「ケガをしちゃうと、4週間ほどチームから離れることになる。しっかり自分で判断しないといけない」
視線の先には、オーストラリア代表などとの対戦を控える11月の日本代表ツアー、そして2019年のW杯日本大会がある。
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