あわやウェールズに金星。
新ラグビー日本代表のバックスリーが凄い
7万4000人の大観衆に囲まれたアウェーの地で、ラグビー日本代表が欧州列強のひとつであるウェールズ代表に対し、残り10秒まで30−30の同点――。昨年のワールドカップ(W杯)南アフリカ戦に続く金星なるか、と思われたが、惜しくも相手のドロップゴールの前に力尽きた。
強豪ウェールズ相手にすばらしいプレーを披露した松島幸太朗 9月にジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC)が就任したラグビー日本代表は、11月に新体制初の国際試合を行なった。東京・秩父宮ラグビー場で行なわれた昨年W杯ベスト4の強豪アルゼンチン代表との初陣は、20-54で大敗。しかし、ヨーロッパ遠征第1戦のジョージア代表戦は、スクラムとモールに強みを持つ相手に28-22と競り勝つ。そして、その勢いのまま11月19日、世界ランキング6位のウェールズ代表にチャレンジした。
今回のヨーロッパ遠征は招集32人中、初めて日本代表に入った選手が17人と、経験の浅い選手も多い。「ジェイミー・ジャパン」こと新生日本代表が、ウェールズ相手にどこまで戦えるのか――。2019年に開催されるW杯に向けて、ひとつの試金石となる試合だった。
そんななか、ウェールズ戦で光を放ったのは、2015年の「W杯組」であり、積極的に海外に挑戦してきた「バックスリー(※)」のふたりだ。WTB山田章仁とFB松島幸太朗が中軸となってすばらしいパフォーマンスを見せたことが、30−33という善戦につながったと言えるだろう。
※バックスリー=WTB(ウイング)とFB(フルバック)の総称。
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