あわやウェールズに金星。新ラグビー日本代表のバックスリーが凄い (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 まずWTB山田は、試合早々から全力でフィールドを駆けて相手にプレッシャーをかけていた。SO(スタンドオフ)田村優の転がすようなキックに反応し、相手の反則を誘ってペナルティゴールを得るなど、昨年のW杯を彷彿とさせるようなプレーを披露。真骨頂は前半37分、ウェールズに6−14とリードされていたときに見せたシーンだ。

 ジェイミー・ジャパンはしっかりとディフェンスラインがセットできたとき、積極的に前に出て相手の攻撃にプレッシャーをかけるシステムを採用している。アルゼンチン戦ではほころびを見せてラインブレイクをされたが、ジョージア戦ではしっかりと修正。ウェールズ戦の前半37分のシーンでも、FL(フランカー)布巻峻介が前に出て相手にタックルし、それに連動してCTB(センター)立川理道がプレッシャーをかけ、こぼれたボールをWTB山田が拾い上げて60mを快走した。そしてインゴールに飛び込み、14-13と1点差に追い上げて前半終了。試合の流れのなかで奪った、大きなトライだった。

 WTB山田は走っている途中でスタジアム上部にあるスクリーンを見て、追いかけてくる選手がいるかどうかを確認する余裕も見せていた。「(7万4000人の大観衆のなかでプレーして)EXILEさんの気持ちがわかりました(笑)。気持ちよかったですし、スポーツ選手として幸せなトライでした。みんながディフェンスをしてくれたおかげです」(山田)。

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