【ラグビー】W杯まで1ヶ月。キーマン田中史朗の「手応えと課題」

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 齋藤 龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 シェイクスピアの『真夏の夜の夢』ならぬ、ラグビー日本代表への手厳しい『真夏の夜のレッスン』だった。
 
 15日の秩父宮ラグビー場。ワールドカップ(W杯)イングランド大会(9月18日開幕)に挑む日本代表は、世界のトップクラスの選手を集めた世界選抜に20-45で敗れた。試合終了後のバックスタンド前、あたたかい観客の拍手が夜風に乗る中、ジャパンの選手たちは並んで深々と頭を下げた。

巨漢揃いの世界選抜の選手相手にも怯まず、突破をはかる田中史朗巨漢揃いの世界選抜の選手相手にも怯まず、突破をはかる田中史朗

 小柄な体を張り続けた闘志の塊、スクラムハーフの田中史朗(パナソニック)はそのとき、こう思ったという。

「ただ申し訳ないと......。日本の勝利を望んで応援していただいたのに、負けてしまったんですから。結果がすべて。まだ自分たちの力が足りないんです」
 
 名将エディー・ジョーンズヘッドコーチの指導のもと、日本代表は確実に地力がついてきた。ストレングス、フィジカル、フィットネス......。特にスクラム、ラインアウトは安定し、「ジャパン・ウェイ(日本流)」なる戦い方も選手たちに浸透している。密集からいいタイミングでボールが出れば、トライが取れるようになってきた。

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