【ラグビー】ウワサの「ドローン」が日本代表を強くする? (3ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 そんなジョーンズHCは、ドローン以外にも様々な科学的アプローチで日本代表を指導している。試合や練習だけでなく、対戦チームを分析した映像などを日本代表の専用サーバーで共有し、選手は配布されたiPadでいつでも確認できるようになった。

 その他にも、人工衛星によるGPSや、加速度計が装着されたウェアラブルセンサーを選手の背中に取り付けてプレーさせている。以前の日本代表でも使用していたが、エディー・ジャパンになってからは毎回、グラウンド練習で5人ほどが装着。走った距離、スピード、さらには身体への衝撃なども計測している。

 また、オーストラリア代表や南アフリカ代表で指導歴のあるジョーンズHCは、他の強豪国のデータも持っており、それらと比較しつつ、「日本のトップリーグ選手のトップスピードは秒速8メートルくらい、世界は秒速10メートルくらいです。だから我々日本代表は、秒速12メートルになるように練習しています」と、取り入れたデータをコーチングに還元している。

 例えば、5月9日の韓国代表戦前日にウイング(WTB)の福岡堅樹が、「実感はありませんが、GPSの計測で、スピードが上がっていると言われていました」とコメントすれば、翌日の試合ではそのスピードを生かしてハットトリック(1試合3トライ以上)を達成した。もちろん、プレー自体の質が大事だが、データを使うことで選手の目標を分かりやすく設定し、モチベーションを高める効果もあるようだ。

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