スーパーラグビー参戦。山田章仁が叶えた「10年越しの夢」 (4ページ目)

  • 向風見也●文 photo by Mukai Fumiya
  • photo by YUTAKA/AFLO

 1月25日、東京・秩父宮ラグビー場で行なわれたトップリーグプレイオフ準決勝での東芝戦。この試合で山田は前半16分にトライを決めている。

 起点は敵陣10メートル付近のラインアウトだった。ラインアウトに参加していた選手の群れと、その隣にできていた相手守備網とのわずかな隙間。ここに駆け込んだ山田は、スタンドオフのべリック・バーンズからパスをもらうと、相手タックルを次々とかわし、そのままインゴールまで走り抜けた。山田自身はパスをもらった段階で好感触を得ていた。スーパーラグビー挑戦に向けて弾みのつくトライとなった。

「相手を見る、パスをもらう。あの場面は、そのまま切り取ってスーパーラグビーの舞台に持っていける。ラグビーって、シンプルなことをしっかりとやれば、自分の良さを最大限に生かせるんです」

 そしてスーパーラグビーに参戦する前、こんなことを言っていた。

「もっと大きくなって、いろんなところでプレイしたいという気持ちはあります。ワールドカップを含めて」

 念願だった海外でのプロ生活を送ることになった山田は現在、スーパーラグビーデビューを果たしていない。悔しかろう。そんななかでも、スーパーリーグが終着駅とは考えていない。まずは9月のイングランド。次の目標は、自身初のワールドカップで戦うことだ。

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