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【ラグビー】日本代表のスピードスター福岡堅樹、世界を駆ける

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 小倉和徳 ●写真 photo by Ogura Kazunori

2月特集 2015年躍動するホープたち(4)

 森に囲まれた学園都市つくばの筑波大学キャンパス。ラグビー日本代表ウイング、22歳のホープは、その体育棟の2階ラウンジに、柔らかなスワーブを踏みながら現れた。

筑波大学ラグビー部、福岡堅樹。1992年生まれ。 2013年、日本代表初選出。現在キャップ8筑波大学ラグビー部、福岡堅樹。1992年生まれ。 2013年、日本代表初選出。現在キャップ8

 筑波大学情報学群情報科学類の3年生。福岡県の福岡高卒業の福岡堅樹(けんき)。両ワキを刈り上げたショートカットの「スピードスター」の目元は実に爽やかである。少し笑う。

「福岡の福岡の福岡ですって。自己紹介とか、すぐ覚えてもらえるので助かっています。笑ってもらえますし...。福岡、好きなんで」

 いつも謙虚、いつも自然体。日本代表に入っても、その真摯な姿勢は変わらない。バレンタインデー前日のインタビュー。「チョコレートはもう、どっさり?」と聞けば、人気者は頬をちょっぴり赤らめた。「今年はまだ、全然......」

 2014年度シーズンは終わった。全国大学選手権決勝は帝京大に完敗した。意地のワントライを挙げたものの、力の差を見せつけられた。最後の日本選手権1回戦はケガで欠場した。それから5日が経った。
「とにかく、ケガに悩まされたシーズンだったかなと思います。決勝戦も前半20分ごろ、(左足の)ハムストリング(太もも)を痛めていて。瞬間のスピードは出せても、そこからスピードに乗ることができませんでした」

 たしかにケガが多い1年だった。昨年4月。7人制日本代表の香港遠征からハードスケジュールが続き、15人制の日本代表合宿に入って右ひざを痛めてリタイアした。秋からの大学シーズンでは左足の肉離れを抱え、結局、シーズンのフル出場は4試合にとどまった。日本代表の欧州遠征は欠場した。

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