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【ラグビー】パナソニックの堀江翔太と
田中史朗が示した「ジャパン躍進の道程」 (2ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu 田中伸弥●撮影 photo by Tanaka Shinya

 三洋電機からパナソニックに社名が変わったのが2011年度。その後、田中も堀江も、世界最高峰リーグの『スーパーラグビー』のクラブに入った。今は田中がニュージーランド(NZ)のハイランダーズ、堀江はオーストラリアのレベルズ。

 田中は忙しかった。1日のプレーオフ準決勝の後、NZに渡ってハイランダーズの練習に参加し、8日に帰国した。堀江がこの決勝戦の11日夜、田中は12日にそれぞれ南半球に向かった。おそらくふたりとも日本選手権ではプレーしないだろう。

田中(写真中央)は決勝戦が終わると、その日の夜にニュージーランドへ移動した田中(写真中央)は決勝戦が終わると、その日の夜にニュージーランドへ移動した「ハードスケジュールは言い訳にはならない」と、田中が胸を張る。

「堀江と僕が世界に出て、その選手がいるチームが負けてしまうと、世界の価値が下がってしまう。だから、何としてでも勝とうと心に決めていました」

 タフなリーグでもまれ、ふたりともたくましくなった。フィジカルがアップし、球際が強くなった。田中は激しいプレッシャーをかけられた中でも正確なパスを出せるようになり、堀江もコンタクトプレーがより強くなった。なんといっても、前に出る意識と力が高まった。『勇気』といってもいい。

 この日の後半の中盤の勝負どころで、パナソニックはゴール前でサントリーの12フェーズ(局面)に及ぶ波状攻撃を止め続けた。最後はPKをとられたが、ゴールラインは割らせなかった。堀江のタックルもだが、田中の周りの選手を動かすコールは厳しく、的確だった。

 攻めては堀江、田中の奮闘にリードされ、スタンドオフ(SO)ベリック・バーンズのゲームコントロールが冴えた。プロップ稲垣啓太、NO8ホラニ龍コリニアシ、WTB山田章仁らの個性もかがやいた。

 個々の力の充実はもちろん、選手獲得や環境の整備とも無関係ではない。例えば、スーパーラグビーで長年活躍したアシュリー・ジョーンズ氏が今季からフルタイムのストレングス&フィットネスコーチに付いている。

 田中にスーパーラグビーでの課題を聞けば、「ディフェンスをもっと強くしたい」と漏らした。これは日本選手の共通の課題でもある。

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