【ラグビー】日本代表のホープ・藤田慶和擁する早稲田、打倒帝京のカギは?

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

 新年の太陽のもと、『才能』が躍動した。

 ラグビー日本代表のホープ、早稲田大FBの藤田慶和である。全国大学選手権準決勝の後半34分。まずは筑波大ディフェンスの穴を突いて、大幅にゲインする。

藤田慶和の活躍もあり、筑波大に勝利した早稲田大が決勝進出。4連覇中の帝京大と対戦する藤田慶和の活躍もあり、筑波大に勝利した早稲田大が決勝進出。4連覇中の帝京大と対戦する 走る、走る、184cm、90kgの20歳が、大きなストライドでぐいぐい走る。タックルを受けながらつなぐ。密集から藤田自身がパスアウト。右に回り、次のポイントから左にボールが出た。

「ウチ(内)! ウチ! ウチ!」

 SO小倉順平がボールもらった瞬間、そうコールした藤田が今度は内側でボールをもらい、脱兎のごとく、そのままインゴールに駆けこんだ。この運動量、俊敏さ、この視野の広さ、積極性はどうだろう。

 ゴールも決まり、点差が11に開いた。これで勝負の流れは決まった。藤田があどけなさの残る顔をほころばす。

「あの場面、僕の前の内側が開いていたので、順平さん(小倉)の選択を増やしたいと思ったんです。ボールをもらえなくても、(相手への)ダミーになる。たくさんプレーに絡めてよかったです」

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