2013.01.22

【ラグビー】
海外移籍のリーチと堀江翔太が示す「トップリーグ10年の成果」

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

オーストラリアの「レベルズ」へ移籍するパナソニックの堀江翔太
 寒風吹きすさぶ中、東芝とパナソニックの意地がぶつかり合う。深紅のジャージの固まりと、青色ジャージの束。互角のファイトながら、海外ラグビーに挑戦する東芝フランカーのマイケル・リーチとパナソニックのフッカー堀江翔太の日本代表勢も体を張った。

 20日のトップリーグのプレイオフ準決勝(秩父宮ラグビー場)。「我慢だった」と、途中出場のリーチは言う。3月から、世界最高峰のスーパーラグビー、母国ニュージーランドの「チーフス」(ハミルトン市)に半年間の期限付きで移籍する24歳。

「東芝の強さは”フィジカル”“固まり”“激しさ”です。それを発揮することができました」

 勝負どころは、後半20分過ぎだった。持ち前の強力FWがスクラムを押し込んで、ターンオーバーする。続けてコラプシング(スクラムを故意に崩す行為)の反則をもらう。PGは失敗。だがこれでFWが勢いづき、怒とうの攻めを見せる。倒れない。持ち前の『スタンディングラグビー』。特に寄りが厳しい。

 相手キックを捕球し、「塊(かたまり)」となって波状攻撃を続けた。リーチもロングゲインし、ボールを前に前に動かした。直後のラインアウトだった。自慢のモールをぐいぐいと押し込み、最後は右サイドを突いたSH吉田朋生が左中間に躍り込んだ。

 真っ黒いヒゲモジャの日本代表フランカーのリーチ。まだ東芝2年目ながら、ガタイが随分とよくなった。入社時から体重が約5キロアップして108キロ(身長190センチ)。ヒゲはサントリーの名手ジョージ・スミス(元豪州代表)と伸ばすことを約束したそうで、「スミスが剃ったら僕もそる」と笑う。

 結局、20-8で東芝が快勝した。決勝の相手が同じ府中市を本拠地とするサントリーとなった。

「サントリーとやるのは、ほんと楽しみです。フィジカル勝負です。相手のFWをゲインラインの向こうでバチンと止めます」

 24歳の目標がワールドカップ(W杯)勝利である。

「トップリーグの試合を経験し、東芝で練習してフィジカルが強くなった」と自信を膨らませる。スーパーラグビーへの挑戦権も得た。