2013.01.28

【ラグビー】熟成の途上。
全勝で連覇を達成したサントリーのクラブ文化

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

全勝で連覇を達成したサントリー。大久保直弥監督は就任1年目での優勝となった
『ハングリー』、これが今季のサントリーのチームスローガンである。優勝への飢餓感、勝利への渇望、ボールへのこだわり……。飢えた黒&イエロージャージの束が、真紅の東芝の固まりを押し崩した。

 27日のトップリーグ(TL)のプレイオフ決勝。1万4千の観衆が埋めたスタンドが、両雄の真っ向勝負に揺れた。フィジカル勝負、力と意地がぶつかる。優勝の直後、サントリー主将の真壁伸弥は円陣の中で大粒の涙を流した。

 人差し指を立てた。声を張り上げる。「もうひとつ、とりにいくぞ!」。どん欲なのだ。ターゲットは2季連続の2冠。TL初の全勝優勝を遂げたばかりというのに、もう次の日本選手権のタイトル奪取へ檄を飛ばした。

 興奮が収まる。表彰式のあと、真壁主将は会見ではこう言った。

「80分間、サントリーのラグビーを信じ切ったことが、結果につながりました」

 言葉どおり、サントリーの選手たちに迷いはなかった。「超攻撃ラグビー」を続ける。一人ひとりが接点でファイトし、どんなところからでもアグレッシブに攻めていく。高速展開、走り続ける。ディフェンスでも体を張る。激しいタックル、相手とのコンタクトをやり続けるのである。

 東芝との差は、ゴール前のプレイの精度、リアクションスピード、やり続ける意志と体力だった。就任1年目の大久保直弥監督は勝因をこう説明した。

「今日はディフェンスがよかった。一発一発、東芝さん(の当たり)も重いですけれど、繰り返しできる能力はサントリーに分があったと思います。FW全体として、コンタクトをし続ける能力は昨季より、5%から10%、アップしている。最後まで、前半20分と変わらないコンタクトができるようになったのが大きな勝因かなと思います」