【ラグビー】アメフトとの二刀流に挑戦。山田章仁が目指す「ダブル日本代表入り」 (2ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • 井田新輔●撮影 photo by Ida Shinsuke

 そこでアメフト。今年の春シーズンはパナソニックの練習には一切参加せず、アメフトの日本社会人Xリーグのノジマ相模原の練習に参加した。平日は個人トレーニングで体力アップを図った。パナソニックはプロ契約だから当然報酬があるが、ノジマでのプレイは無報酬である。山田が説明する。

「アメフトは趣味だから。出場給も交通費もない。何かを得るためには、何かを犠牲にしないといけないな、という思いがあるので」

 でも趣味でケガをしたら、ラグビーはどうなるのか。よくぞ、パナソニックが認めたと思う。競技は違えども、パナソニックでは海外ラグビー挑戦中のフッカー堀江翔太、SH田中史朗と同じ考えをとった。

 すべて本人の自己責任、と中嶋則文監督は説明する。

「ラグビーで結果を出さないと、アメフトは認めない。もしプライベート(のアメフト)でケガをしたら、厳しく対応します」

 アメフト公式デビューが報道された8月30日、山田はパナソニックのチームメイトに自ら説明した。アメフトのヘルメットをかぶって。「アメフトの公式戦にも挑戦するので、あたたかく見守ってください」と。激励と拍手をもらった。

 ラグビーとアメフトの試合がだぶれば、ラグビーが優先する。8月31日は群馬県太田市で昼間の練習に参加した後、横浜に移動し、夜のXリーグにノジマのリターナーとして出場した。
※ラグビーは2012年8月31日~2013年1月23日まで。アメフトは1stステージが8月30日~10月30日まで(2ndは未定)

 1回の捕球で10ヤードを獲得した。

 ラグビーはパナソニックが44-13でリコーに圧勝した。山田が振り返る。

「アメフトは全然だめ。こっち(ラグビー)のほうは満足です。二日で差し引いて50点かな。いいスタートが切れたという感じです」

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