【ラグビー】「早慶明」のいない大学選手権4強は、好ゲーム必至の実力派揃い!

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

国立大として初の大学選手権ベスト4進出を果たした筑波大。国立大として初の大学選手権ベスト4進出を果たした筑波大。

 2012年1月2日、国立競技場でラグビー大学選手権準決勝が行なわれる。ただ今年はこの準決勝に早稲田大、慶応大、明治大と、これまで大学ラグビー界を牽引してきた伝統校の姿はない。ゆえに集客面で不安を感じている協会関係者も多い。だが、「早慶明」を倒して4強に勝ち残った大学は、個性的かつ実力派揃い。各大学の見どころを確認すれば、きっと好勝負の期待が高まるに違いない。

 まず第1試合に登場する関西学生Aリーグ1位の天理大は、選手権2回戦で慶応大を32-15で下した。この試合で天理大の真骨頂が見られたのは後半26分。自分たちに迫ってくる相手守備とすれ違いざまに、スタンドオフで主将の立川理道(4年=たちかわ・はるみち)、センターのアイセア・ハベア(4年)が相手ゴールラインとほぼ平行なパスを続けて放ち、最後は快速フルバックの塚本健太(3年=つかもと・けんた)がとどめを刺した。

 小柄な選手が多いチームだが、堅実な守備と豊富な運動量、さらに細かなパススキルで勝ち上がり、27年ぶりの国立行きを果たした。「東高西低」が続いていたとされる最近の大学ラグビー界の構図に風穴を開けた天理大のスタイルは、世界の強豪に挑むジャパンへのヒントになるとも言われている。

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