【ラグビー】「早慶明」のいない大学選手権4強は、好ゲーム必至の実力派揃い! (4ページ目)

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 コメントには「悲観的になりたくない」との思いも込めていたようだが、過去の歴史においても、トーナメントで接戦を繰り返すうちに成長した大学は多い。秋の対抗戦で苦戦しながら、冬の選手権で2年連続日本一に輝いた帝京大が、まさにその一例でもあるのだ。

 筑波大とは12月3日に対抗戦で戦い、11-0と辛勝している。そんなチームを相手に成長の跡を見せられれば、3連覇の道もいよいよ開けてくる。

 2011年、日本ラグビーは向かい風を浴びた。ワールドカップニュージーランド大会で予選プールを1分3敗に終わり、昨今の人気低迷に拍車をかけた。来年度以降の日本代表ヘッドコーチ(HC)となる、現サントリーのエディー・ジョーンズ監督は、「大学ラグビーは人気がある。これを代表につなげなければ」と持論を述べた。

 ジョーンズHCの最大の仕事は、代表チームを勝たせることだ。しかし、それだけではなく人気回復という使命もある。それはラグビーそのものの面白さをより効果的に、そして端的に伝えることだ。伝統校を好むオールドファンは否定されるべきではないが、それに頼ってばかりはいられない。つまり「早慶明」がいない今回の準決勝はその試金石でもある。

 もちろん1月2日の国立には、集まったファンの期待に応える接戦がきっと待っている。

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