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【女子卓球】張本美和が追う中国ナンバー2の背中 ここまで全敗も「勝てる手応えがある」から差は詰まったのか (3ページ目)

  • 高樹ミナ●文 text by Takagi Mina

【兄とのダブルスでのある誤解】

 2028年ロサンゼルス五輪を見据えた取り組みとしては、6月のWTT欧州2連戦で兄・智和と約2年ぶりに混合ダブルスのペアを再結成した。2022年8月のWTTコンテンダー チュニスでは、初ペアでいきなり優勝。今回はWTTスターコンテンダー リュブリャナでベスト8、WTTコンテンダー ザグレブでベスト4とまずまずの結果だった。

 兄は妹とのペア再結成の経緯をこう語っている。

「パリ五輪がひと区切りで、自由にペアを組めるこのタイミングで一度(美和と)組んでみたいなと。いい結果が出れば継続する可能性もありますし、そうでなければ変わる可能性もある。混合ダブルスは吉村真晴(SCOグループ)/大藤沙月(ミキハウス)ペアも強いですし、早田ひな(日本生命)選手と戸上隼輔(井村屋グループ)選手もまたペアを組むみたいなので、ライバルたちと平等に競っていけたらなと思います」

 一方、美和は兄とのペアをどう感じているのか。2年前、初めてペアを組んだ時には、ポイントを決めた兄の声が大きすぎて驚く美和の映像が話題になった。

「あれは違うんです! 私がすぐ後ろにいるのに、兄が思いきりラケットを振ったので、『当たらなくてよかったー』ってホッとしたのと『ボール、入ったんだ!』という驚きでびっくりしたんです。メディアでは、兄の『チョレイ!』の声がうるさくてびっくりしたって報じられちゃったんですけど、大きな声を出してくれると自分も一緒に声を出せて気持ちが乗っていくので、逆にありがたいです」

 そう笑顔で話す美和は7月3日に開幕したWTT USスマッシュでは、世界選手権ドーハ大会までペアを組んでいた1歳上で左利きの松島輝空(木下グループ)との「そらみわ」ペアが復活。初優勝を飾った今年1月のWTTスターコンテンダー ドーハ以来、今季2度目のタイトルを狙ったが、ベスト8だった。しかし、WTTコンテンダー ブエノスアイレス(7月22~27日)から2週連続でシングルス、ダブルスともに優勝。WTTチャンピオンズ横浜2025で3週連続2冠に挑む。

【プロフィール】

張本美和(はりもと・みわ)

2008年6月16日生まれ、宮城県出身。両親ともに卓球選手で、父は男子ジュニア日本代表の元コーチ、母は世界卓球選手権の元代表選手。5歳上の兄は東京2020大会卓球男子団体銅メダリストである張本智和。2歳から本格的に卓球を始め、10歳でU15日本代表に選出。翌11歳でU18日本代表、13歳でナショナルチームの候補選手になる。2021年12月に世界ユース卓球選手権で史上初の4冠を達成。2024年2月に開催された世界卓球選手権団体で銀メダル獲得。同年のパリ五輪では団体銀メダルを獲得した。世界ランキング7位(2025年7月15日時点)。

◆WTTチャンピオンズ横浜2025
期間:2025年8月7日~11日
場所:「横浜BUNTAI」神奈川県横浜市中区不老町2丁目7番1
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【写真】全日本卓球で活躍した女子卓球の選手たち

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