「SNSは親指一本で人を死に追いやる危険性も...」それでも 700万フォロワー「レミたん」はTikTokで人を幸せにしたい (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Nagatsuka Kazushi
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

【フォロワー700万のTikTokクリエイター「レミたん」が届けたいこと】

――さて、土井さんの名前が知れ渡ったのは、何といってもTikTokの影響が大きいですよね。現在TikTokアカウント「レミたん」のフォロワー数は約700万。埼玉県の人口と同じくらいです。

土井 ああ、そうなんですね(笑)。でも、世界中にフォロワーがいるので本当にピンとこないというか。単純に僕の動画を見て楽しんでくれている人が700万人もいるっていう感覚です。フォロワーを毎日楽しませるのが目標です。

 インフルエンサーが「今後の目標はなんですか」って聞かれると、登録者数100万人とか、フォロワー数に関する回答をする人が多いと思うんですけど、それは僕の発想にはないんです。僕が注目されているのはフォロワーがいるおかげで、毎日その人たちを楽しませていれば、数字は勝手に増えていきます。そこを忘れずに活動できている人が本物だなと考えています。

――フォロワー数はあまり気にされていないんですね。

土井 フォロワー数のチェックはまったくしないです。増えることはもちろん嬉しいです。嬉しいですけど、増やそうと思って行動したくないんです。その欲が出てくると頑張っちゃうじゃないですか。頑張っている姿って、あんまり人に見せるのが好きじゃないので。ただただ僕の映像を見て、その一日のなかで、一瞬でも楽しいっていう気持ちを持ってもらえればいいなと。

――TikTokをやっている目的もそこだと。

土井 フランス時代、苦しくて、本当につらかったところから復活できたのは、ハンドボールは楽しいものだっていう原点に立ち返ることができたからでした。自分の気持ちのなかにちょっとでも楽しいっていう気持ちが生まれると、悪かったサイクルがどんどんいい方向に向かっていきました。そういうきっかけをいろんな人に与えたいんです。

――土井さんのTikTokではハンドボールのネタがほとんどありませんよね。

土井 ハンドボールのことをネタの中心にしても、元々ハンドボールの世界にいた人たちやハンドボールファンしか見てくれません。それではハンドボールファンの分母を増やす活動にならないので、まったく違うことをやって、競技の外にいる人たちにまずは自分のことに興味を持ってもらおうと。僕のことを好きになってくれた人たちが「この人がやっているんだったらハンドボールを観てみよう」となるのが理想です。

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