鷲見玲奈が水谷隼に聞く東京五輪。丹羽孝希との異色ダブルスは「まったく違う競技を見ている感覚になる」 (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi


鷲見 オリンピックが延期になった瞬間、私は水谷選手の顔が一番に浮かびました。「大丈夫かな?」「どうするんだろう?」と。

水谷 本当だったら昨年の8月ぐらいに引退していた可能性もありましたからね(笑)。今となっては、「まだまだ自分はできる」という自信があるので、もし再延期になったとしても、来年まで頑張れるんじゃないかと思っています。

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鷲見 それを聞いて安心しました。現在の自信につながるような、この1年で状態がよくなった部分はあるのでしょうか。

水谷 "昔に戻れた"ところでしょうか。最近、卓球をしていて、がむしゃらに打ち込んでいた高校生、大学生の頃のような感覚に戻ってきているんです。

鷲見 何かきっかけがあったんですか?

水谷 きっと、自分の残りの競技生活が短いと感じてきているからだと思います。今も昔も卓球はずっと好きですが、それができなくなってしまう。そういう寂しさがあるからこそ、昔のようにがむしゃらに、すごく強度を上げた練習ができているんじゃないかと。

鷲見 それはコロナ禍で卓球のことを考えたり、見つめ直す時間が増えたり、ということも影響していますか?

水谷 それはあると思います。逆に、卓球ができない時期は「何か違うことをやろう」といくつかチャレンジしたんですよ。けど、結局どれも長続きしなくて。それで久しぶりに練習してみると、「あ、やっぱり卓球が好きなんだな」って思えたんですよね。あらためて感じた「卓球が好き」という思いが、今の自分につながっているんだと思います。

鷲見 ちなみに、チャレンジした「何か違うこと」とは?

水谷 まずはゲームをしました(笑)。

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