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NFLプレーオフ開幕。MVP最有力の
韋駄天QBが新時代を切り開く (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO



 チーフスはレギュラーシーズンの最後を6連勝で終えたが、ディフェンスが大幅に改善されたことも大きい。6連勝の間、1試合平均11.5失点と非常に低かった。寒い冬に行なわれるプレーオフでは攻撃時に手がかじかんでボールを掴みづらいため、ディフェンスの重要度は増す。チーフスにとっては心強い話だ。

 とはいえ、NFLきっての強肩とダイナミックなパスが売りのマホームズが活躍しなければ、AFCを制することはできない。昨季は第1シードを獲得しながら、スーパーボウルを目前にニューイングランド・ペイトリオッツに敗れた。チーフスとマホームズは、捲土重来を期す。

 一方、ナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)は、AFCよりも多くのチームにスーパーボウルの切符獲得の可能性があるだろう。

 そのなかでも注目すべきは、ス--パボウルが狙える位置にいながら2年連続して勝機を逃してきたニューオーリンズ・セインツ(13勝3敗)だ。今季は「3度目の正直」を目論む。

 セインツをNFC第3シードに導いた中心選手は、もちろんQBドリュー・ブリーズだ。今季は序盤に親指のケガで5試合を欠場したが、通算パスTDで歴代1位を記録(現在547TD)。40歳ながら、いまだエリートQBとして健在である。

 15年〜20年ほど前までは、パス成功率が60%を超えれば一流QBと言われていたが、現在は70%近く成功させるQBも少なくない。そのなかでも、ブリーズの今季のパス成功率は75.3%と際立って高い。相手ディフェンスからすれば、ほとんどパスを通されてしまったという感覚のはずだ。

 今季のセインツは、リーグ3位の1試合平均28.6得点をマーク。QBブリーズを軸に、シーズンパス捕球数でNFL記録を樹立したWR(ワイドレシーバー)マイケル・トーマスとRBアルビン・カマラの"トリプレッツ"によるリーグ屈指のオフェンスで、10年ぶりのスーパーボウル進出なるか。

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