2020.01.04

NFLプレーオフ開幕。MVP最有力の
韋駄天QBが新時代を切り開く

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 若さと勢い。それに対する、経験と老練さ......。上回るのは、果たしてどちらか。

 9月から繰り広げられてきたレギュラーシーズンが終わり、年明けからプレーオフに突入するNFL。今年は怖いもの知らずの若手中心のチームと、百戦錬磨のベテランが牽引するチームが目立っている。例年以上に楽しみなポストシーズンとなりそうだ。

ラマー・ジャクソンはレイブンズをスーパーボウルまで導けるか 言い換えると、レギュラーシーズンでの勝率をそのまま鵜呑みにはできない。

 54回目となる今季のスーパーボウルは、2月2日にフロリダ州マイアミガーデンズのハードロック・スタジアムで開催される。頂上決戦へと歩みを進めるのは、どのチームなのか。チームの顔であるQB(クォーターバック)をピックアップしつつ、注目ポイントを見ていきたい。

 アメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)で注目すべきは、何はともあれボルチモア・レイブンズ(14勝2敗/今季レギュラーシーズン成績)だろう。今季のレギュラーシーズンは、極端に言えば彼ら中心だった。シーズンはリーグ1位の勝率.875をマークし、AFCの第1シードをもぎ取った。

 開幕前、レイブンズの評判は決して高くなかった。だが、フタを開ければ衆目の度肝を抜いた。

 原動力となったのは、QBラマー・ジャクソンという"韋駄天"だ。2018年のドラフトは1巡目にQBが5名も指名されたが、その5番目(1巡目全体32位)でレイブンズが選んだのがジャクソンだった。

 ルイビル大時代、ジャクソンはハイズマン賞(大学最優秀選手賞)を獲得している。だが、ドラフトでそこまで指名順位が下がったのは、脚が抜群に速い一方、パスは不正確と評されていたからだ。

 ところが今季、レイブンズがジャクソン向けのオフェンスシステムを採り入れたことが見事にハマる。ボールをRB(ランニングバック)に持たせるかと思いきや自らが走ったり、もしくは突然パスを投げたり。これが、相手ディフェンスを大いに惑わせた。