水谷隼の兄貴分がTリーグのため奮闘。「卓球をつまみのような存在へ」
Tリーグ T.T彩たま 坂本竜介・監督兼執行役員
10月24日、両国国技館でTリーグ男子の開幕試合が行なわれ、マッチカウント3-1で木下マイスター東京がT.T彩たまに勝利した。日本のトップ選手を揃えた木下が3-0とリードして迎えた第4マッチでは、今年の春の世界選手権ハルムスタッド大会(団体戦)で水谷隼と張本智和に勝った鄭栄植(チョン・ヨンシク:韓国)が再び水谷に勝ち、一矢を報いた。
次戦からの巻き返しを図るT.T彩たまには、「監督兼執行役員」という肩書きでチームの指揮と運営の"二刀流"に挑んでいる男がいる。青森山田高3年生のときにドイツへ渡り、水谷隼ら、いわゆる"ドイツ組"の兄貴分として活躍。引退後は卓球イベントのプロデュースや卓球教室の運営、テレビ解説、世界選手権の演出担当など、多方面で才能を発揮してきた坂本竜介である。
今年4月に現在の役職に着任すると、海外のトップ選手と次々と契約、チームマスコットやテーマソングなどを相次いで発表し、さらに3歳の女の子の入団会見まで開いた。チームはもちろん、Tリーグ全体の広告塔的な役割も担ってきた33歳の熱血漢に、Tリーグにかける思いを聞いた。
福原愛との混合ダブルスで日本一になるなど、日本を代表する選手だった坂本氏 photo by AFLO SPORTS――開幕直前になってもなかなかリーグや各チームの情報が発信されないなか、T.T彩たまのメディアへの露出が目立ちました。
「どんなビジネスもスピードが命ですから、うちはどんどん仕掛けて発信しています。逆に他のチームは選手との契約も含めて遅れていたので、ずっとやきもきしていました。少しでもTリーグが注目されるようにさまざまな形でアピールを続けていきたいです」
――T.T彩たま球団代表の柏原哲郎社長は、熊谷商高、明治大の卓球部で松下浩二チェアマンと同期だったそうですね。
「そうなんです。その縁があって、浩二さんから僕に『埼玉でやってみないか』と声をかけていただきました。柏原社長は関東圏で中古車販売のビジネスを展開されているのですが、いろんな話をさせていただくなかで『お前は運営向きだな。一緒に経営も教えていきたい』と。それで、こんな奇妙な肩書きで活動することになりました(笑)」
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