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美咲、政崇、美月。森薗家は
あの日以来の衝撃をTリーグで残せるか

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • 千葉格、西村尚己●写真 photo by Chiba Itaru,Naoki/AFLO SPORT

卓球一家・森薗家物語(後編)

前編はこちら>>

 Tリーグでは、まず森薗政崇が岡山リベッツ入団を決めた。チームからの猛烈なラブコールで参戦が決まったのだ。

 続いて、美月が木下アビエル神奈川での参戦を決めた。3月末でサンリツを退社し、プロの道を選び、7月に入団が決定した。

 最後にTOP名古屋に入団を決めたのが美咲だ。

今年8月に開催されたアジア大会でダブルスを組んだ森薗美咲(写真右)と政崇の兄弟ペア今年8月に開催されたアジア大会でダブルスを組んだ森薗美咲(写真右)と政崇の兄弟ペア 7年半在籍した日立化成を9月末で退社し、プロになって勝負することを決めた。その決断に至るまでは相当考え、悩んだという。

「26歳になり、そろそろ引退のことも考えていました。じつは、海外に行きたかったんです。それをやめたのは若い選手が育ってきて、この子たちには勝てないと思った自分がいたからです。100%気持ちが向いていなくて、フラフラって海外に行くのは会社からお金を出してもらって行く以上、違うなってやめたんです。でも、ここに来て、やっぱりこのまま引退したら悔いが残るなって思って......」

 卓球選手の引退時期は、それぞれだが世界的にみると日本は比較的早いかもしれない。それはこのくらいで"そろそろ"という空気が流れている影響もある。美咲もそれに乗りかけたが、引退する前に、もう一度チャレンジしたい思いが強かった。その気持ちを聞いて、背中を押してくれたのが平野早矢香だった。

「早矢香さんに『引退も考えています』って相談した時、『もっとできるよ』って言われるかと思ったら、『森薗さんの卓球人生だからそう思った時がそうだね』って言われました。『でも、私だったら最後に挑戦するけどね』って話をしていただき、もう一度挑戦してダメだったらやめようという気持ちで、100%前向きになれたんです」

 もう一度、トップを狙うためにプロという厳しい環境を選択した。そして、プロになる前、ある大会を経験し、さらに刺激を受けた。

 8月のアジア大会で、美咲は政崇と混合ダブルスを組んだのである。

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