2018.10.24

森薗美咲、政崇、美月の壮絶卓球人生。
「父は星一徹のように厳しかった」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • 千葉格●写真 photo by Chiba Itaru

卓球一家・森薗家物語(前編)

 10月24日に開幕するTリーグ。リーグ戦には松平家(賢二、健太、志穂)、吉村家(真晴、和弘)、張本家(智和、美和)などの兄弟が参戦しているが、これまでに卓球界で大きな輝きを放ち、今も異彩を放っているのが森薗家だ。

TリーグのTOP名古屋に所属する森薗美咲 森薗家とは美咲(26歳)、政崇(23歳)の姉弟と従妹の美月(22歳)の3人のことである。Tリーグで美咲はTOP名古屋、政崇は岡山リベッツ、美月は木下アビエル神奈川でプレーする。

―― 森薗家の個性とは。

「みんな、変わっている。自覚ないですけどね」

 政崇は、笑ってそう言う。

 卓球界は兄弟でプレーするところが多く、いずれも日本のトップクラスにある。どんなスポーツでもそうだが長男や長女がプレーしていると、弟や妹たちはその影響を受け、同じ道を歩む。

 森薗家もそうだった。
 
 美咲と政崇の父である誠と美月の父である稔は双子の兄弟で、ともに卓球選手だった。兄は美月の父である稔で、現役時代はサンリツでプレーし、弟・誠はシチズンでプレーしていた。現役時代は、ともに負けず嫌いで、ライバル心を燃やしていたという。

 卓球は、美咲が最初に始めた。

 父がコーチだったが、その指導は「今なら問題になるくらいの厳しさ」だったという。

「めっちゃ厳しかったです。平日は学校終わって友人と遊ぶ時間がちょっとあるんですけど、練習がきついので子どもながら体力温存のために外では遊ばなかったくらい。土日は朝8時から夜8時までほとんど休みなく練習をしていました。もう週末なんかいらないって思っていましたし、やめたいとしょっちゅう思っていました」

 本当に1日も休みがなく、子ども心にも自分が壊れてしまうと危惧し、たまに仮病を使って休んだりした。厳しい練習が続くなか、試合で勝てるようになると楽しく思えたが、心からそう思えたのは親元を離れて青森山田中学に進学してからである。