卓球・丹羽孝希「中国選手のドライブはテニスボール並みの重さ」 (4ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro  露木聡子●写真 photo by Tsuyuki Satoko


――それは声を出したり、プレー中に喜怒哀楽を出さないことが関係していますか?

「どうなんでしょうね。でも、自分では努力していると思ってます。そうじゃないと、ここまで来られなかったでしょうし。それに世界レベルになると、才能なんて関係ない世界だと思うんです。練習量やどれだけ頑張ったか、精神力の強さが勝負を左右する。センスがいくらあっても、それこそ才能がある選手なんていくらでもいるんで。それだけじゃ勝てない」

――なるほど。

「それと強くなるのは、練習以外の意識の差も大きいと思います。食事や睡眠はもちろん、今は動画サイトで全世界の選手のプレーを見ることができるんで、新しいサーブや技術を研究したり。ただボールを打つことだけが練習ではないので」

――いつか水谷隼選手に追いつき、追い越す自信はありますか?

「自信はないです、特には。昔は勝ちたいとか言っていたんですけどね。水谷さんは本当に強いですし、そもそもライバル視したことがないです。日本代表として世界と戦った仲間でもあるので。そんな目で見られないですね。ただただ尊敬の目で見てます」

――では、水谷選手の強さの理由は、何だと思いますか?

「プロ意識だと思いますね。他の選手とは全然違います。ひとりでロシアリーグに参戦したりもしていますし、食事から睡眠から徹底して気を使ってます。練習もプライベートコーチをつけて、メニューも自分で考えてやってる。ちょっと違うなと思いますね」

――水谷選手のプレースタイルを真似たいとは思いませんか?

「思います。僕も本当は水谷さんみたく、下がってプレーしたいですよ。そっちの方が盛り上がるし、テレビ映りもいいじゃないですか(笑)。でも僕の身長(162cm)とパワーじゃ、それはできない。つらいとこですけどね。ハンデででしかないです、身長が低いのは」

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