日本初のプロ選手・松下浩二が
「福原愛の笑顔」に思うこと

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by JMPA

 今夏のリオ五輪で卓球ニッポンは、男女ともにすばらしい結果を残した。男子個人シングルスでは水谷隼が銅メダルに輝き、団体では男子が銀、女子が銅メダルを獲得。日本人初のプロ選手となり、ドイツ・ブンデスリーガでもプレーした松下浩二氏に日本の活躍ぶりを振り返ってもらった。

泣き笑いの表情の福原愛に対し、満面の笑顔で喜ぶ石川佳純と伊藤美誠泣き笑いの表情の福原愛に対し、満面の笑顔で喜ぶ石川佳純と伊藤美誠日本人初のプロ選手・松下浩二が「卓球ニッポンの未来」を語る@前編

 リオ五輪後、卓球やバドミントンの用具の売り上げが好調のようです。卓球でいえば、銀メダル1個、銅メダル2個、男女で合計3個のメダル獲得という過去にない好成績はもちろんのこと、多くの試合で逆転勝ちを収めるというスリリングな展開が、多くの方の興味を引いたのではないかと思っています。

 女子からリオ五輪を振り返ってみると、まずはシングルス3回戦から登場した石川佳純選手が、まさかの初戦敗退を喫しました。

 対戦相手のキム・ソンイ選手(北朝鮮)は世界ランキング50位で、今年2月に行なわれた世界卓球では、「北朝鮮の2番手」というポジションでした。ただ、北朝鮮の選手は国際大会に頻繁(ひんぱん)に出場しないため、ランキングだけでは実力が計れません。世界卓球でのプレーを見て、「将来、間違いなく北朝鮮ナンバー1の選手になる」と思っていました。北朝鮮は選手に猛特訓を課すことが有名なので、この半年間でこちらの想像以上の成長を遂げたのでしょう。

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